きっかけと一貫性の関係。

投稿者: カテゴリー: マーケティング オン 2014/04/24

「一貫性の原理」という言葉を聞いたことはありますか?

人は、行動、発言、態度、信念などに対して一貫していたいという心理が働く。という原理です。

ダイエット中の甘いもの、禁酒中の一杯だけ、禁煙中の一本だけ。どれも一度受け入れてしまったら、ついついその次も受け入れてしまうのも、一貫性の原理からと言われています。
お菓子に手を出してしまったあとに、「ダイエットは明日から」と言いながら2個3個手を出してしまうアレです。

これは物品やサービス販売などにも応用されています。
身近に存在する例を見て、ヒントを探ってみましょう。
いったん購買を実行させることで、「ついで買い」の購買モードに引き込むテクニックが隠れています。

○名物・看板商品

「これを買えば間違いない」「ここに来たらみんな買っていく」
そんな商品をひとつだけでも用意できれば、それを皮切りについで買いを誘うことができます。

 

○バラ売り

お菓子屋さんでショーケースの上や入り口付近に置いてあるバラ売り。1個100円前後などで、とても手を出しやすくしてあります。
そのひとつを手に取った後、その商品に限らず別のものを結局箱買いすることが多くあります。
手を出しやすいもので購買モードを引き出し、より高いものの購買につなげようというテクニックです。

 

○オプションプラン

車や旅行などに多く見られます。
購入を決定した後に、別料金のグレードアップツール・プランを提示してくるパターンです。
普段の買い物では、1円単位で価格を比べている倹約主婦であっても、「せっかくだから」と言って、数万円の購買を簡単に決めたりします。

 

○レジ待ちの陳列

スーパーやコンビニなど、レジに並んでいるとちょうど目につくところに、欲しいような必要ないような絶妙な商品が陳列されています。
レジ待ちをしている時点で購買モードに入っているので、ついつい手を出してしまいます。

 

このように一貫性の原理は身近に溢れており、緊張状態から解放されることで気が緩んでしまう「テンション・リダクション効果」とも深い関わりがあります。
この原理は消費活動に限らず、人付き合いにも登場します。何だか人に頼み事をするのが上手い人っていますよね?

「ちょっとだけ付き合ってくれない?」と言って結構な重労働をさせられたり、最初に無理難題を言って来て「じゃあ○○ならいいでしょ?」と言って、妥協案を提示して来て了承してしまう。
前者は低いハードルを一旦受け入れることで、受け入れた自分を一貫させようと徐々に高いハードルを承諾する例です。
後者は「それはいくらなんでも無理」と、ハードルが高いことを理由に断ってしまったがため、ハードルが下がったら承諾しなければという一貫性を保とうとする例です。

商品やサービスを開発したり見直す際も、こうした人の心を動かすテクニックを意識した上で、上手く取り入れれば、成功が近づくかもしれません。

コンセプトをしっかり立てることなど、商品・サービスに対しても一貫性を持たせることが、人々の持つ一貫性の心理とリンクし深い理解や強い共感を生むのではないでしょうか。

終わりに、この記事に辿り着いた方は、知りたいけど定義が曖昧なワードがあって来られた方が多いのではないでしょうか。
きっとその意味や範囲は人によって異なりますので、少なくともこの記事が考えるきっかけになれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Copyright(C) R.SENSES All Rights Reserved.