機能的価値と情緒的価値設定時の盲点

投稿者: カテゴリー: ブランディングマーケティング オン 2018/03/23

よくブランディングの書籍に、製品やサービスのブランド価値を高めるためには、機能的価値だけでなく情緒的価値が重要だ!と書かれています。
その通りとは思いますが、一体これらが何を示し、その実態はどうなのか。考える機会がありましたのでここにまとめて書き留めておきます。

まずは、シンプルに定義したいと思います。
機能的価値=製品の基本的機能
情緒的価値=基本的機能以外の付加価値

例えば炊飯器であれば、「米が5.5号炊ける。」が基本的機能と言えるでしょうか。
でも、家電売り場へ行けば、ピンからキリまで揃っています。
その違いを店員に問うと、
「ふっくら炊き上がります。」
「ブランドごとに水の計量が自動で行えます。」
「デザインが良くインテリアとしても映えます。」
などと説明されるかもしれませんが、これは情緒的価値にあたるかもしれません。

「デザインが良い?そんなの気持ちの問題じゃん。そんなの価値じゃねーよ」と言うあなた。大正解です。
『価値』は、各々ユーザーの中にあり、その感じ方は人によって異なります。これは、機能的価値と情緒的価値両方に言えることです。
途上国等でオンボロ炊飯器を使っているユーザーからすれば、止まることがなく、水漏れがなく、毎回見事に炊き上がることが情緒的価値にあたるでしょう。

また価値は、時代背景や技術の進歩によっても変化をともないます。
携帯電話を例に挙げれば、iPhoneがタッチパネル式の端末として提供した「携帯端末をタッチで操るという新しい体験」は、多くのユーザーに情緒的価値を感じさせたでしょう。
しかし、今では、ガラケー・スマホとして大別され、タッチ操作そのものは、機能的価値と位置付けるユーザーが大多数でしょう。
タッチ操作によって得られる様々な体験やデザイン性は、情緒的価値として、今も多くのユーザーの共感を生み出しながらも、「タッチ操作」そのものは、もはや基本的機能の一部となっています。

機能的価値・情緒的価値を考える際は、顧客を知り尽くした上で、「その位置付けはユーザーの中にあり、変化を伴う」ということを念頭に置く必要があるのをお忘れなく。

終わりに、この記事に辿り着いた方は、知りたいけど定義が曖昧なワードがあって来られた方が多いのではないでしょうか。
きっとその意味や範囲は人によって異なりますので、少なくともこの記事が考えるきっかけになれば幸いです。

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