流行りのち廃り。流行り時々スタンダード。

投稿者: カテゴリー: ブランディングマーケティング オン 2014/05/08

ファッション、グルメ、SNS。どんなものにも流行りがあります。

「流行り=一時的に世の中に広く行われること。」

一時的の意味通り、世間的な流行りには必ず終わりがありますが、流行の終わりと共に廃れて消えていく商品・サービス・店舗と、流行を機にうまく世間に浸透しその後も継続的に存在していく商品・サービス・店舗があります。その差は一体何なんでしょう。

パンケーキを例に、まずは流行の経過を考えてみましょう。※独自の設定であり、実例ではありません。

(1)流行りを生む人々?

A「原宿に新しくパンケーキの店がオープンするのか、早速チェックしよう」
A「うん、美味しい。」

とにかく新しいものが好きなAさんは、色んな開拓をしていきます。

A「このあいだ原宿にオープンした店に行ったけど、なかなか良かったよ。」
B「じゃあ今度行ってみるよ」(後日)「パンケーキいいね。来るでしょこれ」

Aさんの話題を受け、Bさんがお店に行き、新商品の評価を下します。

(2)流行りはじめる

B「あそこのパンケーキ美味しいよ。これからはパンケーキの時代でしょ!」
C「そうなの?今度行ってみようかな」

Bさんの絶賛を聞いて、普段は慎重なCさんも試してみようと思う。
Cさんのような人々の共感を得ることができると、どんどん広がりを見せ、続々と模倣店が出てきます。

(3)あちこちで流行に乗り始める

C「パンケーキ、すごい流行ってるよね」
D「そう言えば色んなところにお店ができてるよね。(一度くらい行ってみようかな…)」
E「ホットケーキと何か違うの?あんまり興味ないや」

はじめは半信半疑のDさんだが、ニュースや雑誌の記事なども見て、機会あればと思い始める。
Eさんにはいまいち響きませんが、この頃には、ショッピングモールの各所でもパンケーキ店が存在しています。

 

世間的なパンケーキブームも終盤に差し掛かり、パンケーキ店は乱立状態。
それからしばらく経って…状況は二極化。一時期ほどの混雑はないものの、現在も営業を続けている店と、ポップコーンなど別の店に…その違いは一体どこにあるのでしょう。

違いはただひとつ。
「その店と、その店のパンケーキのファンがいたかどうか。」

きっかけは流行りであっても、その店でパンケーキを食べることが彼らにとってのスタンダードになり、お店を支える顧客となっていたのです。

流行に乗っている人の多くは、商品やサービスそのもの以上に、行列や品薄状態、つまり「流行っていること」に価値を感じています。言い方を変えれば、本来的なターゲットの外まで広がり、特に好きでもないけど流行っているからという理由で来店する人がいる状況です。この状況は、ブームが去り流行りという価値が減ってしまったとき、その人たちにとっての価値にズレが生じ、時として悪評を呼び起こすことさえあります。
しかしながら、市場が盛り上がることが大きなチャンスであることは間違いありません。流行り始めたときほど、品質やブランディングを見直し、改めてファン作りという長期的な展開を見据える必要があるのではないでしょうか。

 

※マーケティング解説などによく出てくる、イノベーター理論によると彼らは以下のように呼ばれ、

Aさん=イノベーター:(市場全体の)2.5%の人
Bさん=アーリーアダプター:13.5%の人
Cさん=アーリーマジョリティ:34%の人
Dさん=レイトマジョリティ:34%の人
Eさん=ラガード:16%の人

イノベーター理論の購買者分類

といった分布率とのことです。

 

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