コンセプトって何者?どう作る?

投稿者: カテゴリー: デザイン開発ブランディングマーケティング オン 2014/04/21

商品やサービスをはじめ、さまざまな「企画」に伴って、必ずついてくる「コンセプト」。

いったい何者なんでしょう。

「コンセプト」として提示された言葉は読めばわかるので、コンセプトというもの自身が何を意味し、いったいどんな役割を果たしているのか、考えずにいる方も多いかもしれません。
チームの一員として企画を進めて行く上ではあまり深く考える必要は無いかもしれませんが、企画の責任者となったり、企画案を出す立場になった際に「コンセプトって何者なんだよ?」と深く考えさせられます。

ここでは、何か企画や、クリエイティブ開発をする上で、コンセプトは何を意味し、どうあるべきかを説明させて頂きます。

 

●コンセプトの意味

カタカナで出てくるコンセプトは、一般的に「思考の基礎となる概念」を指します。
企画を進める上での方向性と捉えて頂いても良いと思います。

 

●コンセプトの重要性

「今度わが社で、都内在勤で関東在住のサラリーマンをターゲットに○○を企画することが決まった!」
「この企画を成功させるには、明確なコンセプトが必要だ!」
「みんな、何か良い案はないか??」

企画会議でこんなセリフを良く聞きそうな気がします。
ごもっともな意見ですし、コンセプトがはっきりせずに失敗を招くことは、商品やサービスに限らず、飲食店や建築などあらゆるジャンルでありえることです。

これではいまいちコンセプトの重要性がピンと来ないですね。
例として居酒屋に置き換えてみましょう。

  1. コンセプト「が何も無い」居酒屋
  2. コンセプト「海の幸と地酒が味わえるくつろぎ空間」の居酒屋

 

Q 想像してください。1.と2.では、どんな情景が目に浮かびますか?

1.はどこかの主(あるじ)の趣味が高じて開くお店でしょうか。それはそれで魅力的ですが…全く想像できません。
2.は文字通り、海鮮料理とその料理に合わせたお酒を出してくれそうなお店です。ゆっくりと楽しめそうですね。
(この場合、「海産物が苦手だから行きたくない」と思う人もいるかもしれませんが、その方はこのお店のターゲットではありません。そう考えると、適正に絞り込んだターゲットに向けて、効果的に「伝える」ためにもコンセプトは重要になってきそうです)

 

Q マークやチラシ、ホームページなど宣伝表現はどうしましょう?

1.何をどう魅力として伝えていくべきか全く見えてきません。
2.和っぽさとくつろぎ感、どこか海を感じる雰囲気でしょうか。
色んな方向性を探るにしても、基礎となる概念が無いと表現のしようがありません。
無理にテーマを決めて表現したところで、ごく普通な内装の雰囲気を見てがっかりするでしょうし、結局、店舗や料理の写真を並べるだけになってしまいそうです。

 

 Q 口コミはどうなるでしょう?

1.「よくわからないけど新しいお店ができたみたい」
2.「海鮮料理の居酒屋ができたらしいよ。地酒も置いてるみたい」
コンセプトがはっきりしている店とそうでない店とでは、大きく違いますよね。
(もちろんコンセプトをきちんと伝達できているかも重要になってきます)

 

2.のように(コンセプトの良し悪しは別として)コンセプトが有ると無いとでは、店員さんの持つ意識さえ変わり、全体的な雰囲気や品質に大きな影響が出てきます。
コンセプトは、関わるスタッフ全員がどのような考え方で何を目指すべきかの意識統一をするためにも、とても重要です。

 

 

●コンセプトの作り方

コンセプトに持たせる役割の幅は人それぞれで、作り方も三者三様です。
ものすごく説明的な書き方をする人もいれば、イメージワードひとつを示す人もいて、何が正解というわけではありません。
この記事を読んで頂いている方々も、この記事から何かを感じて頂き、考え、自分なりのコンセプト作りを見つけて頂ければと思いますが、コンセプトがコンセプトとしての役割を果たすために、心がけるべきことを挙げさせて頂きます。

 

・定めたターゲットと市場に則しているいること

コンセプトは、絞った狙いに対して「魅力を伝えるため」に設定します。
ターゲットと市場に対して、何が魅力となるかをしっかり把握した上で考えましょう。

 

・進むべき方向を示してくれていること

企画における思想の基礎となるため、迷走しないための道しるべとなるべきです。曖昧すぎても意味がありません。

※ただし、示すべきは方向性であり、コンセプトが“不要な縛り”にならないよう注意が必要です。

 

・誰にでも理解できること

関わる人全員と共有できなければ意味がありません。
決してキャッチーでカッコいい必要はありませんので、確実に伝わる内容にしましょう。

※コンセプトとキャッチコピーは別物です

 

コンセプトを適切に設定することは大変難しい作業です。
ブランド価値やデザイン表現の全体的な方向性となるため、とんでもない重責を担います。ですが、コンセプトがしっかりしていれば、その後のブレを防止し、一貫した伝達により、信頼とブランドロイヤリティに繋がっていくことでしょう。

終わりに、この記事に辿り着いた方は、知りたいけど定義が曖昧なワードがあって来られた方が多いのではないでしょうか。
きっとその意味や範囲は人によって異なりますので、少なくともこの記事が考えるきっかけになれば幸いです。

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