前回、『「きっかけ」と「一貫性」の関係。』で、名物・看板商品を設定する例をご紹介しました。

人は大量の選択肢から選び出すことが苦手と言われています。(もちろん全ての人にあてはまるわけではありませんが)

「圧倒的な品揃え」は、来店きっかけを作るために非常に強い効力を発揮します。しかし、

「一貫性の原理」という言葉を聞いたことはありますか?

人は、行動、発言、態度、信念などに対して一貫していたいという心理が働く。という原理です。

ダイエット中の甘いもの、禁酒中の一杯だけ、禁煙中の一本だけ。どれも一度受け入れてしまったら、ついついその次も受け入れてしまうのも、一貫性の原理からと言われています。 お菓子に手を出してしまったあとに、「ダイエットは明日から」と言いながら2個3個手を出してしまうアレです。

これは物品やサービス販売などにも応用されています。 身近に存在する例を見て、ヒントを探ってみましょう。

「レシートを集めてXX人にひとりゼロ円にしちゃいます」

「00人にひとりレジで当たりがでたらタダ!」

という広告宣伝をよく聞きます。夢もあって非常に魅力的ですよね。 でも冷静になって考えると、

商品やサービスをはじめ、さまざまな「企画」に伴って、必ずついてくる「コンセプト」。

いったい何者なんでしょう。

「コンセプト」として提示された言葉は読めばわかるので、コンセプトというもの自身が何を意味し、いったいどんな役割を果たしているのか、考えずにいる方も多いかもしれません。 チームの一員として企画を進めて行く上ではあまり深く考える必要は無いかもしれませんが、企画の責任者となったり、企画案を出す立場になった際に「コンセプトって何者なんだよ?」と深く考えさせられます。

ここでは、何か企画や、クリエイティブ開発をする上で、コンセプトは何を意味し、

ブランディングにしてもマーケティングにしてもデザイン開発にしても、重要なのは顧客目線です。 そんなことは当たり前…。と思われるかもしれませんが、意外と自社の商品やサービスが顧客に対してどのような価値を与えているのかを「何となく」しか把握していないことがあります。

商品やサービスが顧客にとってどのような価値があるかを分析する方法のひとつとして、製品が持つレベルを下記のように5つの階層に分けて考える方法があります。 何やら難しそうな雰囲気はありますが、この類いの話は「便利な物差」と捉えて、とりあえず考え方だけを拝借し、自分が納得いくように当てはめてみれば良いと思います。

hierarchy

 

一番下から順に、コース料理を提供するレストランを例にして説明します。

夏の暑い日。 家族や恋人、友人、同僚とコンビニに行き、一緒にいる人がドリンクを買ったときは、「なんでそれにしたの?」と質問してみてください。

多くの人が「なんとなく…」と答えることでしょう。

パッ聞くと理由なんて無さそうで適当な印象を受けますが、よくよく考えてみると多くの人が購買行動を起こす最強の理由だと言えます。 もし、多くの人が口にする「なんとなく」の正体を突き止め、勝ち取ることがきれば色んなことが上手く行くかもしれません。

 

●「なんとなく」の正体とは?

「なんとなくこれにした」 「なんとなく決めた」 「なんとなく美味しそうだったから」

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